尿も細胞外液と同一とは考えにくいのですが、過去の多くの報告では肉や脂肪中心の食事をとった場合と野菜や果物中心の食事をとった場合の尿のpHを比較すると後者のほうが前者よりも高い値を示すことが知られています(11,12,13,14,15)。これは両者のカロリーを同じにしても結果は変わらないことも分かっています(14)。この原因は野菜や果物はセルロースが多く消化が悪いため糖やアミノ酸、脂肪の吸収が悪いことと、クエン酸などの体内で重炭酸と同様にアルカリ化に働く有機酸が多いことが考えられます。

ちなみに、ヤギやウサギなどの草食動物の尿のpHはアルカリになっていることが知られています。また、糖尿病患者さんの尿は酸性になっていることが知られていますが(16)、糖尿病ラットでは体液も酸性になっていることが分かっています(17)。痛風患者さんの尿も酸性であることが知られていますが、痛風発作の原因である尿酸ナトリウムの結晶は酸性体液で沈着しやすく(18)、関節液が酸性になることにより結晶が沈着して激しい炎症を生じると考えられます。血液のpHと尿のpHの関係についてはヒツジを用いた研究で良好な相関があることもわかっています。それによると静脈のpHが0.1下がると尿ではおおよそ2.0低下します(19)。

以上から尿のpHは細胞外液のpHをある程度反映していると推定できます。少なくとも尿のpHが7.0以下であれば体液は酸性になっていると考えられ、これが5.0とか6.0であれば間違いなく酸性体質と言えます(図9)。

図9

日本人の尿のpHを男女別、年代別に測定した結果が報告されていますが食生活の高カロリー化によって男女とも尿のpHが酸性化していることが分かっています(18)。また男性のほうが、酸性度が強い傾向にありましたが、これは痛風発作が男性に圧倒的に多いことと関連している可能性があります。皆さんも先ずご自身の尿のpHを市販の試験用紙を用いて測定し、体液が酸性かアルカリ性かを確認してください(図10、11)。

図10

図11