食塩を大量にとるとむくみが生じることが知られていますが、これは食塩の成分であるナトリウムとクロライドは細胞内に入りにくく細胞外液に多く溜まることが原因で、浸透圧の差により細胞外に水が溜ることと、これらの元素に水が結合する(水和)ことによりむくみを生じると考えられます。ところがこの食塩は水に溶けるとその溶液を酸性化することが報告されています(32)。つまり食塩が細胞外液に溜まると水素イオンが増えて酸性化を助長するのです。そうするとさらにむくみがひどくなります。ちなみに生理食塩水を点滴すると血液は酸性化(アシドーシス)します。ついでですが理科の教科書には水に食塩(NaCl)を加えてもpHは変化しないと記載されていますが、酸性の水道水は食塩を加えるとpHは低下します。

このむくみで重要なのは腸管や肝臓までむくんでいることです。そうなると腸管での正常な消化吸収ができないとか、肝臓での代謝が悪くなるとか全身で様々な弊害が起こります。血管壁でもむくみは発生しているので血管壁が厚くなって血管腔が狭くなるので血液の流れの抵抗が高くなり、血圧が上がります。これが慢性的に続くと高血圧、動脈硬化さらには心筋梗塞、脳梗塞、腎不全の原因になります。もちろん肺や腎臓ががんばって水素イオンを体外へ排泄してくれれば正常に戻ります。しかし、高齢化とともにこれらの臓器の働きが低下するのでむくみは蓄積し、悪循環が改善されなくなります。

次に以上の話を踏まえて個々の病気と水素イオンの関係を考えてみましょう。